埼玉県がん対策推進条例

平成二十五年十二月二十四日
条例第五十四号

改正

平成二九年 二月 三日条例第一号

  


埼玉県がん対策推進条例をここに公布する。
埼玉県がん対策推進条例
(目的)
第一条 この条例は、がんが県民の疾病による死亡の最大の原因となっている等がんが県民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状に鑑み、がん対策基本法(平成十八年法律第九十八号)の趣旨を踏まえ、がん対策に関し、県、県民、医療関係者及び事業者の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(県の責務)
第二条 県は、国及び市町村並びに医療機関並びにがんの予防又はがん医療(科学的知見に基づく適切ながんに係る医療をいう。以下同じ。)に関する団体並びにがん患者及びその家族(以下「がん患者等」という。)を支援することを目的とする活動を行う民間の団体(第十一条第二号及び第十二条第一項において「患者団体」という。)と連携を図りつつ、がん対策に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(県民の責務)
第三条 県民は、喫煙、飲酒、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識(第七条第二号において「がんに関する正しい知識」という。)を持ち、がんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、自らの年齢又は生活習慣その他の事情に応じ、積極的にがん検診を受けるよう努めなければならない。
(医療関係者の責務)
第四条 医師、歯科医師、看護師その他の医療関係者は、県が実施するがん対策に関する施策に協力し、良質かつ適切ながん医療その他のサービスの提供に努めるとともに、がん患者の状況に応じた適切ながんの治療方法又は経済的負担に関する情報その他のがん患者に有用な情報を積極的に提供し、当該情報に関する適切な説明を丁寧に行うよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第五条 事業者は、従業員に対するがんの予防に資するための環境の整備に努めるとともに、がんの早期発見に資するため、従業員のがん検診等を受ける機会が妨げられることのないよう適切な配慮に努めるものとする。
 事業者は、従業員又はその家族ががんに患したときに、当該従業員が働きながら治療を受け、療養し、又はその家族を看護することができるよう必要な環境の整備に努めるものとする。
 事業者は、県が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(がん対策推進計画)
第六条 知事は、がん対策基本法第十二条第一項に規定する都道府県がん対策推進計画(次項及び第三項において「がん対策推進計画」という。)を策定するに当たっては、この条例の趣旨を尊重するとともに、あらかじめ、県民の意見が反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。
 知事は、がん対策推進計画を策定したときは、速やかに、これを公表するものとする。
 前二項の規定は、がん対策推進計画の変更について準用する。
一部改正〔平成二九年条例一号〕
(がんの予防の推進)
第七条 県は、がんの予防の推進を図るため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 喫煙、飲酒、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響に関する県民に対する啓発及び知識の普及に必要な施策
 学校において児童又は生徒ががんに関する正しい知識について理解を深めるための教育に関する施策
 前二号に掲げるもののほか、がんの予防の推進に必要な施策
(がんの早期発見の推進)
第八条 県は、がんの早期発見の推進を図るため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 がん検診に携わる医療従事者の知識及び技能の向上を図るための研修の機会の確保その他のがん検診の質の向上に必要な施策
 がん検診に関する普及啓発、がん検診を受けやすい環境の整備の促進その他のがん検診の受診率の向上に必要な施策
(がん医療の充実)
第九条 県は、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができる環境の整備その他のがん医療の充実を図るため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 がん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師、歯科医師、看護師その他の医療従事者の育成又は確保に必要な施策
 地域におけるがん医療に係る連携協力体制の拠点として専門的ながん医療等の提供及びがん患者等に対する相談支援等を行う医療機関その他これに準ずる医療機関の整備又は機能の強化に必要な施策
 がん患者の診療の経過等の情報の共有等による前号に規定する医療機関とその他の医療機関との連携の強化に必要な施策
 居宅においてがん医療を提供する体制の整備に必要な施策
 前各号に掲げるもののほか、がん医療の充実に必要な施策
(緩和ケアの充実)
第十条 県は、がん患者の療養生活の質の維持向上に資するよう、緩和ケア(がん患者が罹患したがんに起因するがん患者等の身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活を営む上での不安の緩和を目的とする医療、看護その他の行為をいう。以下この条において同じ。)の充実を図るため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医師、看護師その他の医療関係者の育成又は確保に必要な施策
 がんと診断されたときにがん患者の状況に応じて速やかに緩和ケアの提供を行う体制の整備に必要な施策
 前二号に掲げるもののほか、緩和ケアの充実に必要な施策
(がん患者等に対する支援の充実)
第十一条 県は、がん患者等の社会生活を営む上での不安の緩和等に資するよう、がん患者等に対する支援の充実を図るため、第九条第二号に規定する医療機関と連携して、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 がん患者等に対する相談支援を行う体制の整備に必要な施策
 患者団体が行うがん患者等を支援することを目的とする活動の促進に必要な施策
 前二号に掲げるもののほか、がん患者等に対する支援の充実に必要な施策
(がん対策に関する情報の提供)
第十二条 県は、医療機関並びにがんの予防又はがん医療に関する団体及び患者団体と連携を図りつつ、県民に対しがん対策に関する情報の提供を行う体制を整備するとともに、がん対策について県民の正しい理解と関心を深めるための啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。
 県は、第九条第二号に規定する医療機関をはじめとする医療機関が県民に対して行うがん医療に関する情報の提供その他の取組の支援に必要な施策を講ずるものとする。
(特定のがん対策の推進)
第十三条 県は、女性に特有のがんに係る対策、小児がん対策その他の重点的に取り組む必要があるがん対策(第三号において「特定のがん対策」という。)の推進を図るため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 女性に特有のがんに関する予防についての啓発及び正しい知識の普及並びにがん検診の受診率の向上その他の女性に特有のがんに係るがん対策の推進に必要な施策
 小児がんに係るがん医療その他のサービスの提供を行う医療機関相互の連携協力体制の整備、小児がんに罹患したがん患者に対する教育の機会の確保、小児がんの特性に配慮したがん患者等に対する相談支援その他の小児がん対策の推進に必要な施策
 前二号に掲げるもののほか、特定のがん対策の推進に必要な施策
(がん登録の推進)
第十四条 県は、がん医療の質の向上等に資するため、がん患者のがんの罹患、診療、転帰その他の状況を把握し、分析するための取組(次項において「がん登録」という。)の推進を図るために必要な施策を、個人情報の適正な取扱いを確保しつつ、講ずるものとする。
 県は、がん患者等をはじめとする県民にがん登録の成果がもたらされるよう努めるものとする。
(がんに係る研究の促進等)
第十五条 県は、がんの罹患率及びがんによる死亡率の低下に資するため、先進的ながん医療の導入等に向けた研究が促進され、及びその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものとする。
(財政上の措置)
第十六条 県は、がん対策に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。
附 則(平成二十九年二月三日条例第一号)
この条例は、公布の日から施行する。