○愛媛県環境基本条例
平成8年3月19日条例第5号
改正
平成16年12月24日条例第47号
愛媛県環境基本条例を次のように公布する。
愛媛県環境基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条−第8条)
第2章 環境の保全に関する基本的施策(第9条−第25条)
第3章 地球環境の保全の推進等(第26条)
附則
私たちのふるさと愛媛は、比類のない美しさを誇る瀬戸内海及び宇和海に面し、西日本最高峰の石鎚山を擁する豊かな自然環境に恵まれており、温暖な気候は、私たちの生活に大きな恩恵を与えている。
私たちは、この健全で恵み豊かな環境の中で、過去から現在へと長い年月を掛けて、生活を営み、産業を興し、特色ある文化をつくり上げてきた。
しかしながら、大量生産・大量消費・大量廃棄を基調とした今日の社会経済活動は、私たちに物質的な豊かさをもたらし、生活の利便性を高めた一方で、環境に大きな影響を及ぼしている。増大する環境への負荷は、自然の生態系を破壊し、さらに、地球全体の温暖化やオゾン層の破壊の進行などの地球的な規模の環境問題を引き起こし、人類の生存基盤を脅かすまでに至っている。
健全で恵み豊かな環境の下、健康で文化的な生活を営むことは、現在及び将来の県民の権利であり、この環境を守り、育て、及び将来の世代に引き継いでいくことは、私たちの責務である。
私たちは、環境が人類を含めすべての生命の生存基盤であり、限りあるものであることを深く認識し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な愛媛の実現に、総合的かつ計画的に取り組んでいかなければならない。
ここに、私たちは、互いに協力して、健全で恵み豊かな環境を保全するとともに、更に豊かで快適な環境を積極的に創造することにより、よりよい環境を将来の世代に引き継いでいくことを決意し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに県、市町、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
一部改正〔平成16年条例47号〕
(定義)
第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに県民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
3 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、現在及び将来の世代の県民が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。
2 環境の保全は、環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨として、行われなければならない。
3 地球環境の保全は、すべての事業活動及び日常生活において着実に推進されなければならない。
(県の責務)
第4条 県は、前条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、市町が行う環境の保全のための施策を支援するよう努めるものとする。
一部改正〔平成16年条例47号〕
(市町の責務)
第5条 市町は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、当該市町の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
一部改正〔平成16年条例47号〕
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、県又は市町が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
一部改正〔平成16年条例47号〕
(県民の責務)
第7条 県民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、県民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、県又は市町が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
一部改正〔平成16年条例47号〕
(愛媛県環境白書)
第8条 知事は、毎年、環境の状況及び県が環境の保全に関して講じた施策を明らかにした愛媛県環境白書を作成し、これを公表しなければならない。
第2章 環境の保全に関する基本的施策
(施策の基本方針)
第9条 県は、環境の保全に関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。
(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全され、人と自然とが共生できるよう創造されること。
(3) 人と自然との豊かな触れ合いが保たれるとともに、地域の歴史的文化的特性を生かした潤いと安らぎのある快適な環境が創造されること。
(環境の保全に関する基本的な計画)
第10条 知事は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画を定めなければならない。
2 前項の計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、第1項の計画を定めようとするときは、あらかじめ、愛媛県環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 知事は、第1項の計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、第1項の計画の変更について準用する。
(県の施策の策定等に当たっての配慮)
第11条 県は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。
(環境影響評価の推進)
第12条 県は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(規制の措置)
第13条 県は、公害の原因となる行為に関し、公害を防止するために必要な規制の措置を講じなければならない。
2 県は、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、その支障を防止するために必要な規制の措置を講じなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、県は、環境の保全上の支障を防止するために必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。
(経済的な助成のための措置)
第14条 県は、環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条において「負荷活動」という。)を行う者がその負荷活動に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため、その負荷活動を行う者に必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進)
第15条 県は、緩衝地帯その他の環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備及び汚泥のしゅんせつ、絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖その他の環境の保全上の支障を防止するための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 県は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
3 県は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
4 県は、前2項に定める公共的施設の適切な利用を促進するための措置その他のこれらの施設に係る環境の保全上の効果が増進されるために必要な措置を講ずるものとする。
(資源の循環的な利用等の推進)
第16条 県は、環境への負荷の低減を図るため、事業者及び県民による資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
2 県は、環境への負荷の低減を図るため、県の事業の実施に当たっては、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量に努めるものとする。
(環境の保全に関する教育、学習等)
第17条 県は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により事業者及び県民が環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。
(民間団体等の自発的な活動の促進)
第18条 県は、事業者、県民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(環境監査の普及)
第19条 県は、事業活動が環境に与える影響について事業者が自主的に行う監査の実施の普及に努めるものとする。
(情報の提供)
第20条 県は、第17条の環境の保全に関する教育及び学習の振興、第18条の民間団体等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進並びに前条の環境監査の普及に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。
(調査研究の実施等)
第21条 県は、環境の保全に関し、環境の状況の把握、環境の変化の予測又は環境の変化による影響の予測に関する調査その他の調査の実施に努めるとともに、試験研究の体制の整備並びに研究開発の推進及びその成果の普及に努めるものとする。
(監視等の体制の整備)
第22条 県は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、観測、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。
(県民の意見の反映)
第23条 県は、環境の保全に関する施策に県民の意見を反映させるため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(総合的な推進体制の整備)
第24条 県は、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、これを調整し、及び推進するために必要な体制を整備するものとする。
2 県は、市町との連携及び民間団体等との協働により環境の保全に関する施策を推進するための体制の整備に努めるものとする。
一部改正〔平成16年条例47号〕
(国及び他の都道府県との協力)
第25条 県は、環境の保全に関する施策で、県の区域を超えた広域的な取組を必要とするものについては、国及び他の都道府県と協力して、その推進に努めるものとする。
第3章 地球環境の保全の推進等
第26条 県は、地球環境の保全に資する施策を推進するとともに、県、市町、事業者及び県民がそれぞれの役割に応じて地球環境の保全に資するよう行動するための指針を定め、これに基づく行動を促進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
2 県は、国及び関係機関と連携し、環境の保全に関する調査及び試験研究、情報の提供その他の地球環境の保全に関する国際協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
一部改正〔平成16年条例47号〕
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(愛媛県環境保全条例の一部改正)
2 愛媛県環境保全条例(昭和48年愛媛県条例第32号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
愛媛県自然環境保全条例
目次中「第2章 環境保全基本方針(第9条)」を「第2章 削除」に、「第5章 生活環境(第35条−第37条)」を「第5章 削除」に改める。
第4条を削る。
第3条中「環境」を「地形、地質、植生及び野生動物に関する調査その他自然環境」に、「行なう」を「行う」に改め、同条を第4条とする。
第1条及び第2条を次のように改める。
(目的)
第1条 この条例は、自然環境を保全することが特に必要な区域等の自然環境の適正な保全を総合的に推進することにより、広く県民が自然環境の恵沢を享受するとともに、将来の県民にこれを継承できるようにし、もつて現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(県等の責務)
第2条 県、市町村、事業者及び県民は、愛媛県環境基本条例(平成8年愛媛県条例第5号)第3条に定める環境の保全についての基本理念にのつとり、自然環境の適正な保全が図られるように、それぞれの立場において努めなければならない。
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第3条 自然環境の保全に当たつては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、県土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。
第5条中「環境」を「自然環境」に改める。
第6条から第8条までを次のように改める。
第6条から第8条まで 削除
第2章を次のように改める。
第2章 削除
第9条 削除
第11条第1項中「環境」を「自然環境」に改める。
第12条第1項中「4人」を「3人」に改める。
第5章を次のように改める。
第5章 削除
第35条から第37条まで 削除
(愛媛県環境保全条例の一部改正に伴う経過措置)
3 この条例の施行の際現に副会長の職にある者が引き続き副会長の職にある間は、前項の規定による改正後の愛媛県環境保全条例第12条第1項の規定は適用せず、前項の規定による改正前の愛媛県環境保全条例第12条第1項の規定は、なおその効力を有する。
附 則(平成16年12月24日条例第47号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成17年1月16日から施行する。(後略)